口腔衛生学会雑誌
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原著
幼児の咀嚼と食行動および生活行動との関連性
木林 美由紀大橋 健治森下 真行奥田 豊子
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2004 年 54 巻 5 号 p. 550-557

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抄録

幼稚園・保育園に通う幼児141名(6.1±0-3歳)を対象に,チューインガム法と感圧紙法(デンタルプレスケール^[○!R])を用いて咀嚼力を評価した.さらに,保護者と担任教諭および担任保育士を対象に幼児の日常の食行動および生活行動について質問紙調査を行い,咀嚼能力との関連性について検討し,以下の結果を得た.1.単位時間当たりの溶出糖量と咬合力には,性差は認められなかった.溶出糖量は,身長との間には正の相関関係が認められた.2.対象児の摂食時における咀嚼状態の評価は,施設内の担任者と保護者との評価に異なる傾向が認められた.3.保護者による評価で,偏食の少ない対象児は,偏食が多い対象児より溶出糖量が有意に高く,溶出糖量と対象児の偏食の程度は有意な関連性が認められた.4.保護者が食事を作るとき,意識して堅い物をメニューに加えている家庭の対象児は,デンタルプレスケール^[○!R]による咬合力が有意に高かった.5.担任教諭・担任保育士による評価において「友人ととてもよく遊ぶ」と評価された対象児は,ほかの対象児よりも溶出糖量が有意に高く,溶出糖量と「友人と遊ぶ」項目に有意な関連性が認められた.以上の結果から,幼児の咀嚼能力は,幼児の食行動や生活行動と関連しており,幼児と保護者に対する食教育の重要性が示唆された.

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© 2004 一般社団法人 口腔衛生学会
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