口腔衛生学会雑誌
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原著
キャリア教育と研修歯科医の将来設計の関係 : 全国の研修歯科医を対象とした横断研究
長谷 晃広相田 潤坪谷 透小山 史穂子松山 祐輔三浦 宏子小坂 健
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2015 年 65 巻 3 号 p. 276-282

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抄録

 近年,歯学部において「将来設計に関する教育(以下,キャリア教育)」が実施されているが,これまでその効果を全国的に検証した研究はほとんど報告されていない.そこで本研究は,全国の研修歯科医を対象として 1)将来設計およびキャリア教育受講の実態把握とその関連性の検討ならびに,2)具体的な志望進路の実態把握を目的とした.2,323名に対し自記式調査票を郵送し1,590名から回答を得た(回収率68.4%).主要な変数に欠損のない1,428名のデータで解析を行った.「将来設計を描けている」と回答した者は212名(14.8%)であった.将来設計を描けていると回答する者の割合はキャリア教育受講経験を有する群で高く(p=0.015),性別,年齢,婚姻状態,出身大学,親の職業を調整したうえでもその関連は支持された(prevalence ratio=1.18, 95%信頼区間=1.08-1.29, p<0.001).希望する進路の最多回答は,研修直後および研修修了5年後では診療所勤務(570名:39.9%および723名:50.6%),研修修了10年後では診療所の開業(705名:49.4%)であった.本研究より,キャリア教育は将来設計を描くにあたり有効である可能性が示唆され,約半数の研修歯科医が10年後以降には歯科診療所を開業したいと考えていることが明らかになった.

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© 2015 一般社団法人 口腔衛生学会
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