口腔衛生学会雑誌
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原著
日本人男性労働者における主食の重ね食べと歯周病の関連についての横断研究
岩﨑 正則福原 正代大田 祐子藤澤 律子角田 聡子片岡 正太茂山 博代正木 千尋安細 敏弘細川 隆司
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2023 年 73 巻 1 号 p. 42-50

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抄録

 男性労働者における主食の重ね食べ(1回の食事で炭水化物の供給源となる主食を2種類以上同時に食べること)と歯周病の関連を明らかにすることを目的に横断研究を実施した.福岡県内の一企業で行われた定期健康診断にあわせて実施した歯科健診,食事調査,質問紙調査に参加した539名の男性従業員(平均年齢47.9歳)のデータを用いた.歯科健診では10歯の代表歯の歯周ポケット深さを計測した.食事調査では1日あたりの炭水化物摂取量を推定し,摂取量上位20% を多量摂取と定義した.そして4 mm以上の歯周ポケットを有する歯数を目的変数とし,主食の重ね食べの頻度「1日1食以上」「1日1食未満」を説明変数とする負の二項回帰モデルを用いて両者の関連を解析した.さらに,主食の重ね食べの頻度が高い者には炭水化物を多量に摂取している者が多く,歯周病へ影響を与えているとの関連を仮定し,一般化構造方程式モデリング(GSEM)を用いて3者の関連を分析した.解析対象集団の14.8%が1日1食以上の主食の重ね食べをしていた.主食の重ね食べの頻度が1日1食未満の群と比較して,1日1食以上の群では4 mm以上の歯周ポケットを有する歯数が有意に多かった(発生率比=1.47,95%信頼区間=1.10–1.96).GSEMを用いた分析の結果,主食の重ね食べの頻度が高いことは炭水化物の多量摂取と関連があり,主食の重ね食べが歯周病に与える影響の一部は炭水化物の多量摂取を介していることが示された.

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© 2023 一般社団法人 口腔衛生学会
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