抄録
プロピオン酸添加普通寒天培地によりヒト口腔から分離された大西らのGranular organismを血清を用いてActinomyces viscosus及びActinomyces naeslundiと比較し, 更に血清学的均一性について検討し特異的な抗原成分を調べた。生化学的な性状検査からはAct. viscosus, Act. naeslundiに属すると思われるグループの他にGranular organismを構成すると考えられる菌がわけられた。Lancefield抗原を用いての免疫電気泳動からはAct. viscosusと同じパターンを示すタイプと, Act. naeslundiと同反応のグループ, 更にAct. viscosusに属するであろうが少し異る反応のグループにわけられた。更に各菌に特異な吸収血清を作って調べた所, Act. viscosusとAct. naeslundiにはV, N, Granular organismにはH.H'. Iwのそれぞれ特異抗原成分があることがわかり, 分類学上, 最も近似した種といわれるAct. viscosus及びAct. naeslundiから成るclusterにGranular organismは属するものと考えられた。調整された各特異因子血清を用いて各動物からのプロピオン酸培地による分離株の型を調べた所, 齧歯類からの菌は殆んどV成分を持ち, ヒト, サルの株はそれぞれ80%と48%がHとN成分を持っていた。膿漏患者と健康なヒトの分離株の分析では, Iw型菌の患者からの検出率が最も高く, 次いでH型菌も多く検出された。