1982 年 32 巻 4 号 p. 340-351
今回著者は, 摂取後歯垢pH変化 (Stephan曲線) によって個体を型別に分類することを目的として, 第2編で報告した食品の型別の中から, 酸性側へ変化するタイプの代表的な食品3つ (ポテトチップス, オレンジジュース, チョコレート) を選び, それらについて摂取後歯垢pH変化を第1編で報告した定量的指標 (最低pH, 最低pHに至る時間, 元のpHに回復する時間, 変化したpHの面積) を用いて検討を行い, 次の結果を得た。
1.4っの指標のうち, 最低pHに至る時間と元のpHに回復する時間は, 食品の性質と関係がより強かったが, 最低pHと変化したpHの面積は, 対象 (個体) の性質と関係がより強かった。
2. 摂取後歯垢pH変化は, 各対象 (個体) により様相が異なっていた。
3. 各指標について4段階尺度で対象 (個体) を評価し, そのタイプを危険タイプ (R型), やや危険タイプ (SR型), 安全タイプ (S型) の3型に分けることができた。
4. 摂取後歯垢pH変化は対象 (個体) によってある傾向を示し, それによって個体を分類し得ることを知り得た。