環境化学
Online ISSN : 1882-5818
Print ISSN : 0917-2408
ISSN-L : 0917-2408
高濃度の塩を含むサンプル溶液中のニッケル (II) の界面活性剤抽出-吸光光度定量
田頭 昭二奥園 高太郎村上 良子佐々木 義明
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 9 巻 2 号 p. 359-367

詳細
抄録

界面活性剤抽出-吸光光度法を用いてppbレベルでのニッケル (II) の定量を行った。ニッケル (II) の検量線は, 0~7.78×10-7mol dm-3の範囲で直線となり, この直線の傾きから求めたニッケル (II) の見かけのモル吸光係数は5.01×105dm3 mol-1cm-1また検出感度は1.6ppbであった。ニッケル (II) をドデシルキサントゲン酸錯体としてSDS (ドデシル硫酸ナトリウム) 界面活性剤相に抽出後, 水相を除去した。残ったSDS相に塩酸を加えて錯体を分解した後, ニッケル (II) を2- (2-ベンゾチアゾリルアゾ) -5-ジメチルアミノ安息香酸 (BTAMB) を用いて吸光光度定量した。鉄はトリエタノールアミンを用いSDS抽出時にニッケルから分離した。またBTAMB発色時にタイロンを加えることで銅, マンガンなどをマスキングした。本法は海水のような高塩濃度サンプル溶液中の5~20ppbのニッケルを精度よく定量することができた。

著者関連情報
© 日本環境化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top