日本肘関節学会雑誌
Online ISSN : 2434-2262
Print ISSN : 1349-7324
Ⅱ.筋・腱・靱帯
肘新鮮靱帯損傷に対するSuture Anchorによる治療経験
樫原 稔
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2016 年 23 巻 2 号 p. 66-68

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抄録

 肘新鮮靱帯損傷5例に対してMitek G2®(以下G2)を使用して修復術を行い,良好な成績が得られたので報告する.両側修復は4例で,内側のみ修復は1例であった.合併骨傷は上腕骨外側顆剥離骨折が1例であった.最終観察時のストレスX線写真は,外反ストレスの外反角は健側と比べて5°以上の差はなかった.一方,内反ストレスの内反角は健側より5°以上大きい例が2例あり,不安定性は自覚しなかったが,うち1例は上腕骨外側上顆剥離骨折を合併した例であった.肘関節可動域は伸展が-5~0°(平均-1°),屈曲が125~140°(平均133°),前腕回内と回外は全例90°であった.JOA-JES scoreは90~96点(平均92点)で比較的良好な成績が得られた.Suture anchorであるG2は手技が容易,低侵襲,確実な初期固定および早期ROM可能などの利点があり,肘靱帯修復術において有効であった.

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© 2016 日本肘関節学会
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