日本肘関節学会雑誌
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Ⅸ. 腫瘍・類似疾患
肘部デスモイド型線維腫症の経過中に骨化を伴い可動域制限をきたした1例
小嶽 和也森田 哲正
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2025 年 32 巻 2 号 p. 273-275

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抄録

デスモイド型線維腫症(デスモイド)は高い局所浸潤性や再発率を有し治療選択に難渋する.組織学的には線維芽細胞の増殖と膠原線維の増生を認め,骨化病変を生じることは稀である.今回,肘部にデスモイドを生じ経過中に骨化を伴い,肘関節に著明な可動域制限を生じた1例を経験した.症例は22歳男性,10年ほど前から生じた右手関節と肘関節の可動域制限で精査目的に当院紹介となった.初診時,肘関節の著明な可動域制限,単純X線上の前腕近位・外側の伸筋群に骨化病変,およびMRI上の肘筋腫大と内部の不均一な高信号像を認めた.診断的意義も含め手術加療とし,肘筋に認めた線維性組織を可及的に切除し可動域制限は改善した.後日,病理結果よりデスモイドと診断した.追加手術は行わず経過観察としたが,肘筋部に骨化病変が生じ可動域制限の増悪が生じたため病変の切除術を行った.3か月で再発なく可動域は保たれ経過観察中である.

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