2025 年 32 巻 2 号 p. 276-278
症例は40歳男性.4年前より誘因なく左肘関節の疼痛および可動域制限が出現し当院を紹介受診した.関節拘縮の状態であり,単純X線およびCTから関節内遊離体を伴う変形性肘関節症と判断し観血的関節授動術および遊離体摘出術を行った.術中に軟骨成分を多く含む多数の遊離体が摘出され,病理所見から滑膜軟骨腫症と診断した.一時的に肘関節可動域は改善したが術後経過とともに関節可動域は減少し,転倒により左上腕骨通顆骨折を受傷した.滑膜軟骨腫症の再発も認め,外固定での骨癒合後に2度目の観血的関節授動術と遊離体摘出術を行った.現在まで明らかな遊離体の再発を認めないが,肘関節には関節症性変化が生じており,強い可動域制限が残存した.画像所見で遊離体を認めた場合には,稀ではあるが本疾患を念頭に置いて治療を進める必要がある.