2025 年 102 巻 p. 33-44
本稿では,社会科教育における「評価」のアプローチの特徴とその課題を見出すことをねらいとしている。評価研究は社会科教育において進んでいない分野の1つとされる。本稿では,その背景として,「評価」という行為そのものが,社会科教育全体の文脈の上に位置づけ,論じられていないという仮説に立ち,これまでの論文に見られる評価の捉えに着目し,そのアプローチの整理を行うこととした。具体的には,全国社会科教育学会の機関誌『社会科研究』の創刊号から第99号に掲載されている789本の論文のうち,「教育評価」と「教育測定」に言及しているものを共同研究者と協議の上,73本抽出した。重複しているものも含め,(1)教育評価アプローチが見られる論文は14本,(2)教育測定アプローチが見られる論文は62本であった。また,(2)においては,子どもの実態を捉えようとする論文が35本,授業実践の有効性を確認しようとする論文が28本であった。
結論として,機関誌『社会科研究』においては,子どもの実態や授業実践の有効性を確認する教育測定アプローチが多くとられていることが分かった。また,評価は様々な領域に関わっていることから,それぞれの研究の相互関係を意識することの重要性が示唆された。