2016 年 16 巻 01 号 p. 50-65
Hi, friends! 1, 2 に基づいてCan-Do リスト試案の開発を行い,『小学校英語Can-Do 評価尺度活用マニュ アル―Hi, friends! 1&2 Can-Do リスト試案』を作成した。その際,観点別評価として慣れ親しみに関して「できるようになりつつある」過程を示し,自律性を促進し,「できる感」すなわち自己効力を育て 本稿の研究においては,まず,小学校外国語活動で共通教材として広く公立学校で用いられている ることを目指した。具体的なCan-Do リスト作成には,指導と活動,評価の一体化を考慮し,評価尺度概要,単元計画と評価活動,評価尺度,1時間毎の目標,Can-Do 評価,使用教材,活動説明,尺度説明なども記した。さらに,教師用リフレクションシート,児童用振り返りシートも作成した。 次に,公立・私立小学校で外国語(英語)活動を担当している指導者が,実際にCan-Do リストを用いて授業と評価を実施し,児童の様子を観察し,振り返りシートを分析するとともに,教師用リフレクションシートにも記入をし,授業を省察した。その結果,Can-Do リストが児童の自律的な学びにも教師の成長や授業改善にも寄与できることが明らかになった。今後は,マニュアルを参考にしつつも指導者がそれぞれの文脈や児童のニーズに添った単元計画を作成し,各時間の到達目標を明確にし,活動を精選・準備し,児童に習得させたい力を意識したCan-Do 項目を熟考する必要があると考えられる。