林業経済研究
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建築の製材・合板使用原単位のマクロ的推計(自由論題論文,1995年秋季大会)
永田 信安村 直樹新開 毅柴崎 茂光
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1996 年 1996 巻 129 号 p. 165-170

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抄録

建築は景気に大きな影響を与えるものとして,予測や分析が広く行われてきており,これと木材需要を数量的に関連づけることにより,木材需要に対する予測や分析へと利用することが期待される。しかし,例えば木造・非木造と言った構造別の建築動向が大きく木材需要に影響すると思われ,予測や分析の利用に際して正確を期するならば,建築と木材との数量的関連づけにおいては構造別あるいは用途別に行う必要があると考えられる。上記の考えのもと,最小二乗法を用いて建築の際の木材(製材及び合板)のマクロ的に見た使用原単位(建築物1平米当り使用する木材の量)の算出を試みた。算出に際し,建築物は構造別(木造とそれ以外)あるいは用途別(住宅とそれ以外)に分類した。構造別については木造と非木造とで木材使用量に顕著な差が認められた。一方,用途別ではそうした差が認められないと共に住宅とそれ以外という分類に問題が残った。冒頭の予測や分析の利用の際には,特に構造別に関して注意しながら扱うことが必要と言えそうである。

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© 1996 林業経済学会
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