林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
Print ISSN : 0285-1598
森林減少・劣化の影響を受けやすい住民の特徴の6村間比較 : カンボジアでの薪炭材・非木材林産物採取の事例
江原 誠百村 帝彦野村 久子松浦 俊也
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 61 巻 3 号 p. 24-34

詳細
抄録

カンボジアの熱帯林は,多くの住民の生計維持に不可欠な薪炭材や非木材林産物(NTFP)の供給源である一方,企業や住民による農地転用や伐採等で急減している。本研究は,カンボジア王国コンポントム州東部3郡にまたがる6村で,薪炭材とNTFPの採取への5年間の森林減少・劣化の影響を受けやすい住民の特徴を,村間比較を通じて明らかにした。森林減少の把握には衛星画像解析を,影響を受けやすい住民の特徴のデータ収集には関係省庁が国勢調査等で用いる調査項目を援用した質問紙調査を行った。6村間の比較分析の結果,村周辺の植生の残存状況によって,薪炭材採取への影響度合いに差が見られた。一方,NTFP採取は,村の周囲10km圏内の森林が皆伐,または樹脂や果実を供給する樹木が択伐されたことにより,NTFP採取・販売業を損失した世帯はとくに影響を認識しやすかった。こうした情報や評価手法は州の土地利用計画策定や大規模ゴム園開発の住民への影響評価にも活用できる。

著者関連情報
© 2015 林業経済学会
前の記事
feedback
Top