林業経済研究
Online ISSN : 2424-2454
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途上国の森林セクターにおける裁判外紛争解決制度に求められる要件
相楽 美穂百村 帝彦横田 康裕
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2017 年 63 巻 3 号 p. 1-11

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抄録

途上国の森林セクターにおける裁判外紛争解決制度における,地域コミュニティが救済されるための要件を,その制度設計において拠り所とされる既存の原則・基準・ガイドラインや先行研究・論考から明らかにした。その際,裁判外紛争解決制度の意義に関する法学の議論を踏まえた。その議論では,「紛争の双方当事者の自主性に基づく対話の継続」と「公正な第三者の関与」という意義が見出され,この2点が途上国の森林セクターの裁判外紛争解決制度に関する原則や基準等では,どのように具体化されているのかについて検討した。その結果,前者に関しては,プロジェクト実施側の地域コミュニティとの対話に基づく信頼関係構築のうえで,地域コミュニティの紛争解決制度への関与が必要であること,後者に関しては,紛争の双方当事者の間に入る第三者に対して独立性や中立性を求めることより,地域コミュニティの調和や人間関係,文化を維持するよう,彼らから信頼を得ている人物・組織が関与することに重きが置かれるべきとされていることが明らかとなった。

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© 2017 林業経済学会
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