日本林学会大会発表データベース
第114回 日本林学会大会
セッションID: G09
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T2 森林科学における森林教育研究の意義と課題
高知県内における森林教育の一事例
「高知子ども森林インストラクター養成講座」第1期の実践報告
*藤本 浩平竹内 秀行
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抄録

 近年、森林や自然環境に関しての興味を持つ人が増え、森林に関する環境教育の場が増えている。また、学校での総合的教育導入や完全週5日制に対応して、地域の大人による休日の体験学習・総合的学習についても様々な試みがあり、環境学習を実施している例がみられる。
 高知県内において、森林ボランティアによる体験型森林教室として「高知子ども森林インストラクター養成講座」が開講されている。第1期が平成13年12月__から__平成14年11月まで開講された。
 第1期講座の主催は、「高知子ども森林インストラクター養成講座運営委員会」と「高知県森林インストラクター会」であった。「高知県森林インストラクター会」は高知県内在住の「森林インストラクター」((社)全国森林レクレエーション協会認定)による団体である。一方、「高知子ども森林インストラクター養成講座運営委員会」は本講座を運営するために設立された団体であり、「高知県森林インストラクター会」の有志と、その他の森林ボランティアにより構成されている。共催団体として、「(社)高知県森と緑の会」が参加している。
 第1期講座の開講準備や計画立案は「高知県森林インストラクター会」と「(社)高知県森と緑の会」が行い、開講後の運営は「高知子ども森林インストラクター養成講座運営委員会」が行っている。
 通年の受講者を募り、森林に関する体験型の講座を行った。講師は、運営委員の他に、県内の森林インストラクターや植物園・研究機関の職員、森林ボランティアなどが担当し、学校や地域では触れ合うことが少ない大人との交流を通して専門的な知識を得ることができる。12回の講座(および番外編が数回)のうち、10回以上受講した子どもを「高知子ども森林インストラクター」として認定する。
 講座は、主に高知県森林総合センター内の森林研修センター情報交流館および試験林で行った。対象は高知県内在住の小学校4__から__6年生およびその保護者である。
 第1期の募集は、親子40名であったが、開講後3回までは中途参加を認めてしまったので、子どもの登録人数で50名を超えてしまった。最終的には、「高知子ども森林インストラクター」認定者が14名であった。
 講座の効果については、数ヵ月前の講座で取り上げたことに関連する事を質問して来たり、休み時間に山から持ってきたりしており、「気付き」のきっかけになっている。また、興味の芽を伸ばして夏休みの自由研究などでユニークな研究をしていることなどを学校や保護者から報告を受けている。
 問題点としては、活動費の問題、参加率や認定率の低さ、講座カリキュラムの立て方、カリキュラムの内容の難易度の4点があげられた。
 改善策として、最寄駅からの送迎バスや初回講座でのアイスブレーキングの重要性、1日1__から__2テーマとし、余裕を持ったカリキュラムづくりを行っていくことがあげられた。
 以上の問題点、改善点をふまえ、第2期講座を進めている。
 主催者側では広く情報交換を希望しており、本講座の活動をホームページに公開し、月1回の割合で更新している。URLは、http://www1.linkclub.or.jp/~fujimoto/JFI_Kochi/ である。
 当日は第1期の実践活動報告とその反省点・問題点を整理し、平成15年4月より開講される第2期講座の計画について発表を行う。

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