エコスクールとして建設された杉並区立小学校にて学校施設を利用した住環境学習プログラムづくりと教員による実践に取組んできた筆者等が、2010年度より開始した6年生向けの木と森と建築(内装木質化)に関する住環境学習プログラム「木のパワーを探ろう!」の実践ならびに今後の展開について報告する。 本プログラムは建物の“内装木質化”を身近に感じる木の良さ、地域、地球とより広い視野でとらえ、「室内環境」「周辺環境」「地域環境」「地球環境」と整理して理解し、6年生児童らが誰でも口にする「地球温暖化」との関連や、現在十分に使える大きさに育っている人工林の木を伐採搬出して適切に使い、再び植えて育てることで、日本における木材が枯渇しない循環資源となることを理解することを目的としている。自分たちが学ぶ校舎を使って、建築という人工環境とその材料のひとつである木材が育つ森林という自然環境の総合学習を行うことで、当初は「学校の木製板の壁」がなぜエコなのかに関心がなく、的確な答えを持たなかった児童らの、プログラム終了後の気づきを報告する。