日本森林学会大会発表データベース
第124回日本森林学会大会
セッションID: P2-208
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樹木の成長と環境
強度間伐後約15年が経過した壮齢ヒノキ人工林における林床植生におよぼす林冠層・低木層・ササの影響
*川村 奈々
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抄録

【目的】強度間伐の実施から15年経過した壮齢ヒノキ人工林における林床植生の衰退の原因について調べた。強度間伐後数年間で林床植生は発達したが,その後低木層およびササが発達すると林床植生は衰退した。林床植生の衰退に低木層とササの発達による被陰が影響していると考えた。****【方法】低木層とササを刈取った全刈取区,低木層を刈取った低木刈取区,無処理の対照区を設置し,2011年に1回と2012年5月から10月にかけて毎月植生調査した。また,全天空写真から開空率を算出して光環境を調べた。****【結果】刈取り処理により林床の光環境が改善された。植生調査については、全刈取区で出現した個体数は674本で,低木刈取区では648本で,対照区では328本であった。刈取り方法により各月に認められた個体数で有意差が認められ,光環境が良いと個体数が多くなることが推察され,低木層とササによる被陰が林床植生の衰退を促していると考えられた。5月から10月にかけて全体的に個体数は減少していた。枯死数は6,7月に多かった。降水量が多い時期に枯死数が多いため,雨滴もしくは雨滴による地表攪乱が枯死数を増大させたと考えられた。

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© 2013 日本森林学会
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