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第125回日本森林学会大会
セッションID: A24
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林政
沖縄県における住宅建築の変遷と今後の木材利用
*知念 良之芝 正己
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抄録

【目的】近年の沖縄県において主体となる住宅建築様式は鉄筋コンクリート(RC)造で木造は10%程度となっている。これは全国的にみて、非常に特異的な地域と言えるが、住宅の変遷に関する研究はあまり多くないのが現状である。本研究では歴史的変遷と過去の木材利用や政策を照らし合わせることで、強く影響を与えたと思われる要因を明らかにし、今後の動向を予測する手がかりとするものである。【方法】琉球王国時代から現在に至るまでの林業・住宅分野に関する資料・先行研究の調査と統計データの解析を行った。【結果】琉球王国時代は木材の輸入が困難であったため、造船・用材確保を目的とした森林政策が行われた。しかし琉球処分の混乱や第二次大戦の際に大量の伐採があったため森林資源は枯渇した。戦後、日本本土から杉材などが持ち込まれたが需給バランスを崩して価格が上昇したこと、沖縄を統治していた米国主導でコンクリート生産体制が整えられ、耐火造の住宅に対して優遇がなされたこと等が現在の沖縄の状況を生み出して来たと考えられる。一方、2000年以降の木造住宅に対するローンの優遇、プレカット材の急速な普及が近年の木造住宅増加の引き金となっている。

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