日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: A27
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林政
伝統的工芸品産業に対する公的支援の現状と課題
*前川 洋平宮林 茂幸関岡 東生
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抄録

 これまでに報告者らは、伝統的な技術保持者や伝統的産業の継承に対する公的支援の現状に関して研究を行ってきた。具体的には、一つ目は、国(経済産業省)による「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」の施策内容や効果に関する研究である。二つ目は、都道府県が行う伝統的工芸品産業に関する条例等整備状況に関する研究である。三つ目は、市町村を対象とした研究である。
 これらを踏まえ本報告では、直接に当該産業が立地する市町村に対する調査結果(941品目が確認された)から、伝統的な工芸品の保護・育成に関する国や都道府県、市町村を含めた公的支援の現状を整理し、伝統的工芸品産業に対する公的支援の課題について、若干の考察を行うことを目的とした。なお、調査は2013年時点の国内全市町村を対象として、質問紙法によって実施した。
 市町村が把握する伝統的な工芸品産業の多くは、公的支援を受けていない現状にある。これらの産業は従事者が少数であることや、生産組合も結成できていないことが確認できた。地場産業として位置づけることが可能な伝統的工芸品産業に対しては、国や都道府県、市町村など公共団体による支援が継続して必要であると考えられる。

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