日本森林学会大会発表データベース
第125回日本森林学会大会
セッションID: B01
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風致
森林散策頻度と日常のメンタルヘルスの関連:大規模集団での遺伝的個人差(BDNF Val66Met遺伝子多型)の検証
*森田 えみ若井 建志銀 光浜島 信之
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抄録

【目的】
 遺伝的要因と生活環境要因の複合により、生活習慣病等は発症すると考えられている。よって、体質に応じた適切な生活習慣の実施により、疾病を予防することが求められている。本研究では、個別化予防を視野に入れ、体質(遺伝子型)別に、継続した森林浴によるメンタルヘルスの維持を検証するために、うつとの関連も報告されているBDNF (Brain-derived neurotrophic factor:脳由来神経栄養因子)の遺伝子多型であるBDNF Val66Metに着目し、遺伝子型別に森林散策頻度とメンタルヘルスとの関連を検討した。
【方法】
 対象者は人間ドッグ受診者(4,579人、平均年齢52.1 ± 8.7歳)で、自記式質問紙にて森林散策頻度を評価した。メンタルヘルスの指標はGHQ-12を用い、4点以上をメンタルヘルス不良と定義した。遺伝子解析はPCR-CTPP法で行った。
【結果と考察】
 いずれの遺伝子型(Val/Val、Val/Met、Met/Met)でも、森林散策頻度が高い方がメンタルヘルス不良の割合が低かった。つまり、全ての遺伝子型で、高頻度の森林散策は、メンタルヘルスの維持に寄与する可能性が示唆された。今後は遺伝子解析を進め、体質別に森林浴の健康への寄与を更に明らかにする必要がある。

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© 2014 日本森林学会
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