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第125回日本森林学会大会
セッションID: T09-07

記事言語:

http://doi.org/10.11519/jfsc.125.0_781

マツ枯れ・マツ材線虫病研究の現在:森林学会100周年によせて
主催: 日本森林学会
  • 抄録

ボルバキアは昆虫類などの節足動物の共生細菌で、宿主の生殖機能を操作する性質を持つことで知られる。ボルバキアをマツノマダラカミキリに人為的に導入することで、マツノマダラカミキリにどのような生殖異常が起こるのかを明らかにするため、アズキゾウムシ由来のボルバキアをマツノマダラカミキリの蛹に注入した。ボルバキアを注入した個体と注入しなかった個体を用いて4つの組み合わせ(A: 注入♂×非注入♀、B: 非注入♂×注入♀、C: 注入♂×注入♀、D: 非注入♂×非注入♀)で交配させ、それぞれの卵の孵化率を調べた。その結果、Aの組み合わせでのみ卵の孵化率が有意に低下した。これは、注入したアズキゾウムシ由来のボルバキアがマツノマダラカミキリに対して細胞質不和合を引き起こしたためと考えられた。また、ボルバキアを注入した雌個体が産んだ卵から孵化した幼虫の感染状態を確認するために診断PCRを行った結果、ボルバキアに感染した幼虫は1頭もなく、注入したボルバキアは次世代に垂直伝播していないことが明らかとなった。このことから、今回の方法ではボルバキアの垂直伝播は起こらないものの、細胞質不和合を誘導することは可能であることが示唆された。

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