日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P1B172
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樹病部門
電気インパルスによる水中及び材内のマツノザイセンチュウの殺虫試験
*恒川 佳世梶村 恒松永 孝治
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抄録

電気インパルス(人工的に発生させた静電気による衝撃)はマツノザイセンチュウ(以下、線虫)を駆除できるかもしれない。本研究では、技術開発の基礎データを得るために、水中での線虫殺虫試験と線虫接種した2年生クロマツ苗木における線虫殺虫試験を行った。
まず、今回用いた電気印加機器で、苗木の樹幹に7.0±2.8A(平均±SE)の電流を流すことができた。そこで、同程度の電流をシャーレ中の線虫懸濁液(250頭/ml)に流した。この場合の線虫殺虫率は、1分印加で39.5%、5分印加で64.0%、10分印加で82.1%となった。苗木には5000頭の線虫を接種し、約1カ月後に1分印加と15分印加を行った。その結果、15分印加では、対照区に比べて線虫密度が有意に低くなり、樹幹内における殺虫効果が実証された。なお、15分の電気印加を行っても、樹幹部に通水阻害は確認されなかった。ただし、内樹皮が変色した様子が見られた。
以上の結果から、水中と樹幹内共に7A前後の電気印加によって線虫を殺虫することが可能であり、高い殺虫効果を得るには10分以上の印加が必要であることがわかった。一方で、内樹皮の変色によって苗木にどのような影響が生じているのか更なる検討が必要である。

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