日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: C13
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経営部門
大東諸島における航空機LiDARを用いたビロウ生育実態の把握
*佐野 滝雄大野 勝正染矢 貴久保田 七海阪口 法明
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抄録

沖縄本島の東方約350kmに位置する南大東島および北大東島は、誕生以来一度も大陸と接したことのない海洋島であり、環境省レッドリストで絶滅危惧IA類に掲載されているダイトウオオコウモリなど多くの希少鳥獣が生息していることから、全域が国の鳥獣保護区に指定されている。両島はかつて、島の固有種であるダイトウビロウに広く覆われていたことが写真等の記録から確認できるが、現在では耕作地への転換が進み、希少鳥獣の生息環境として重要なビロウが優占する森林は著しく減少している。このため、環境省が行う国指定大東諸島鳥獣保護区保全事業の一環として、ビロウをはじめとした森林の全容把握のため、航空機LiDARを用いた調査を実施した。計測データより樹種ごとに異なる林冠部の表層形状が再現され、島内全域の森林タイプを詳細に区分することができた。さらに、林内の階層構造の多様度についても定量的な分析結果が得られた。これらの情報を現地の毎木調査で取得した下層植生も含めた生育データと照合することで、ビロウ林の再生に向けた可能性が示された。

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© 2015 日本森林学会
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