[目的]熱帯林を保護するためには正確なバイオマス量を簡易に測定する手法を確立する必要がある。これまでの衛星リモートセンシングデータから得られるデータは、樹冠を覆う高木の分布しか把握できなかった。本研究では地上レーザによる林内の三次元データを用いることで、高木と中低木とバイオマス量の関係を明らかにし、少ないセンサー設置箇所数でバイオマス量の測定を目指す。[方法] オーストラリア北東部にあるオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)所有のRobson Creek (500m×500m)を対象地した。25haの方形区のうち1ha毎に方形区の中心に半径10mのプロットを設定した。各プロット内で二ヶ所センサーを設置し、解析したデータは毎木調査したデータと照らし合わせ、樹高と胸高直径の計測精度を検証した。[結果]既知の毎木のデータより25haの方形区内の高木の密度を求めた。25ha方形区内の高木の密度と実際に測定するプロットの高木の密度を近づけることで誤差の少ない単位面積当たりのバイオマス量を測定することができた。また、地上レーザを用いた高木の胸高直径の計測は少ない誤差で測定することができた。