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第126回日本森林学会大会
セッションID: C19
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経営部門
温暖化による落葉広葉樹林の開葉日の変化-モデリングと予測結果
*粟屋 善雄
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抄録

Terra衛星MODISの正規化植生指数(NDVI)を用いて判定した落葉樹の開葉日と、2007年に岐阜県大八賀川流域で計測した日平均気温を利用して、開葉と気温の関係を解析し、開葉予測モデルを作成した。開葉日のNDVIによる判定結果、予測モデルによる予測結果、既存の積算気温モデル(シラカンバ、ダケカンバ)による予測結果と標高との関係を比較した。その結果、MODIS-NDVIの結果は積算気温モデルのシラカンバとダケカンバで予測した範囲に収まり、開葉予測モデルの予測結果はMODIS-NDVIの結果やシラカンバとダケカンバの中庸で、開葉予測モデルは妥当と判断された。
全球気候モデルMIROCで温暖化A1Bシナリオによりシミュレーションした日平均気温と開葉予測モデルを利用して、1990年代、2040年代、2090年代の開葉日を予測した。岐阜地方で開葉は50年後に14日、100年後に28日ほど早まり、標高が低いほど早期化が著しいと予測された。日本列島では北海道のオホーツク海沿岸で開葉の早期化がもっとも進み、100年後に40日ほど早まると予測された。本研究は農水省委託の気候変動プロジェクトで実施した。

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