日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: P2B142
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生態部門
埼玉県入間地域におけるウグイスカグラのcpDNAの多様性
*齊藤 陽子Ida luh Gede Nurtjajah Ningsih黒河内 寛之井出 雄二
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キーワード: 葉緑体DNA, 里山, 鳥散布
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抄録

里山は生物の生息の場として重要であるが、個々の生物種の遺伝的多様性の維持に対してどのような役割を果たしているかは分かっていない。本研究は、里山の林床に生育する虫媒鳥散布樹種ウグイスカグラの葉緑体DNAの多様性の現状を明らかにし、議論の基礎とすることを目的とした。
埼玉県入間地域のウグイスカグラ8集団で各1~6個体、全29個体、また外群として山梨県山中湖村1集団3個体から葉を採取した。次世代シーケンサーで得たウグイスカグラ葉緑体DNAシーケンスを元に設計した3領域1552bpについてこれらの塩基配列を決定した。各個体の塩基配列を比較し、塩基置換および欠失を元にハプロタイプを決定した。また、最節約法によりハプロタイプネットワークを作成した。その結果、全部で11個のハプロタイプが検出された。ハプロタイプ1(以下Hap1)は12個体、Hap6は9個体で検出され、その他の9つのハプロタイプは各1個体でしか検出されなかった。Hap1とHap6は1塩基置換で遺伝的に近かった。外群はHap2とHap6が検出され、Hap1はなかった。1個体のみの集団を除き、すべての集団に複数のハプロタイプが存在し、本調査地ではハプロタイプの分布には地域的偏りがなかった。

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