日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: T05-08
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T5. 木質バイオマスの中小規模熱利用の課題と展望
鹿児島県における木質チップボイラーへの燃料供給について
*寺岡 行雄前田 清水
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抄録

木質バイオマスボイラーのトラブルの多くは木質燃料の含水率に起因している。木質燃料の普及を図るため、チップ燃料の乾燥について明らかにする。本研究では、メッシュコンテナ(側面と底面がメッシュ状になり、空気が通るようにしたコンテナ)にスギチップを投入し、木材乾燥機を用いた乾燥実験を行った。21時間の人工乾燥により、含水率53%のチップが23%に低下し、コンテナを用いての乾燥は有効であることが分かった。次に、チップが空気と触れる面積を大きくすることで乾燥効果が高いと考え、コンテナ内にメッシュ状の直径約10cmのパイプを設置し、温風がチップに接触する面積を大きくした。しかし、チップの含水率はパイプ設置をしても有意な差は認められなかった。さらに、乾燥機からチップを取り出した後に撹拌すると、含水率が低下することが確認できた。木質燃料は形態に関わらず、含水率を下げることが品質上重要である。現段階では、木質燃料の人工乾燥についての研究は少なく、効果的な乾燥方法が確立されていない。今回の実験によって、木材乾燥機を用いた燃料チップの人工乾燥が有効であることが分かった。

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