日本森林学会大会発表データベース
第126回日本森林学会大会
セッションID: A09
会議情報

林政部門
都府県別入会林野整備データ分析による諸要因の解明:時系列変動に着目して
*高橋 卓也松下 幸司
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

1969年から2010年までの42年間の都府県別入会林野整備(所有関係の近代化)データを整理し、どのような要因が入会林野整備進捗に影響しているかについて探った。影響を及ぼす要因としては、入会林野の当初条件、すなわち、入会林野事業体の規模(事業体当たり平均戸数など)、入会林野管理のルール(総有的特徴)、過去の労力の投入状況、入会林野が当該都府県森林に占める割合、を想定した。想定した要因関連変数と進捗関連変数との間の相関係数を求めた結果、入会林野事業体の規模は整備一般の進捗と負の関係を、総有的特徴は協業化の進捗と正の関係を、過去の労力の投入は整備一般の進捗と正の関係を、また入会林野の全森林に対する比率は整備一般の進捗と負の関係を、それぞれ有していることが分かった。当初条件が整備の進捗に及ぼす影響は、時間が経過するのとともに、小さくなるのが一般的であるが、過去の労力の投入については、時間が経っても影響が持続することがわかった。また、規模と整備一般の進捗との間の負の関係は、一定規模以上の範囲で出現し、小規模な場合は、かえって規模が大きいほど整備一般が促進される可能性が示唆された。

著者関連情報
© 2015 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top