日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: P1-072
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学術講演集原稿
亜熱帯広葉樹林における微地形の違いが皆伐後の更新動態に及ぼす影響
*日暮 悠樹谷口 真吾松本 一穂
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抄録

【研究目的】亜熱帯広葉樹林の天然下種更新地での微地形の違いが更新実生の動態に及ぼす影響を4成長期間、継続的に調査した。【方法】調査地は、沖縄島北部の70年生常緑広葉樹林(2011年10月に4.8haを皆伐)と伐採地に隣接する残存林である。調査は、残存林内の林床と伐採面の微地形(凹、凸)ごとの林床に実生調査プロット(凹斜面16㎡、凸斜面16㎡、林内12㎡)を設置し、2012年から2015年までの成長期ごとに林床に発生した実生をナンバーリングした。【結果と考察】更新実生の凹斜面での出現種数は成長期ごとに増加し、遷移後期種の定着が年々増加した。凹斜面の成長期ごとの出現本数は凸斜面に比べて1.3から1.9倍多かった。一方、更新実生の凸斜面での出現種数は4成長期とも凹斜面よりも多かった。凸斜面の出現本数は4成長期とも凹斜面、林内よりも少なかった。凹、凸斜面における更新実生の平均樹高は成長期ごとに常に凹斜面が凸斜面よりも高かった。また、凸斜面は凹斜面に比べて、更新実生の成長が遅い傾向であった。この結果、凹斜面は凸斜面に比べ、遷移後期種が新規に加入、定着後に成長しやすい環境であると推察された。

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