日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: B3
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学術講演集原稿
IUCN保護地域管理カテゴリとゾーニングの展開
*伊藤 太一
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抄録

国際的保護地域区分の動きは1933年に遡るが、IUCNが管理目的に応じたカテゴリを検討したのは1975年からである。3年後に最初の管理カテゴリが提示され、それを修正した1994年のカテゴリが今日まで使われている。だが、20年を経ても各国の保護地域への適用が困難となっている。その一因として保護地域内のゾーンとの曖昧な関係が挙げられる。BR(Biosphere Reserve)のコアとバッファからなるゾーニングは、IUCNによる保護地域管理カテゴリ検討開始に先立つ1974年に提案されている。MABプログラムとIUCN保護地域管理カテゴリに関わったR.F. Dasmannは保護地域内のゾーンに保護地域管理カテゴリが割り振られる可能性を示唆し、そのような保護地域も存在する。一方で、IUCNはある保護地域の75%以上を占めるゾーンの管理カテゴリをその保護地域全体の管理カテゴリと見なすという考え方を2004年に示している。だが、そのようなゾーンがない場合には保護地域管理カテゴリを割り振ることができないことにもなる。保護地域の面積基準もない状況では、各ゾーンに保護地域管理カテゴリを割り当ていることが現実的である。

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