日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: C11
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学術講演集原稿
木曽ヒノキの天然更新における環境因子についての研究
*阿部 周平山本 博一
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抄録

日本において天然のヒノキ大径木は,寺院や神社の修復に欠かせないものであるが,近年ではそのヒノキ大径木の減少が報告されている。ヒノキの天然更新に関する先行研究は,種子の発芽条件や稚樹を対象として行われてきた。しかし,将来的なヒノキ大径木を推定するためには,稚樹段階のみの知見では不十分である。天然更新を考える際に,様々な環境において一定の大きさ以上に生長した更新木の生存条件に関する知見が必要である。 本研究では,長野県木曽郡の赤沢自然休養林を対象地とし,更新木が樹種間競争を勝ちぬき,積雪深よりも大きくなり,生存率が高まると考えられる樹高1.5m以上のヒノキ更新木を対象とした。距離法によって立木密度を推定し,それに加えて6つの環境因子(土壌水分量、土壌酸性度、開空度、斜面方位、斜面傾斜、日射時間)を調査した。土壌水分量は,土壌水分センサーを用いて土壌中を流れる電磁波の速度から誘電率を求め,水分量を求めた。開空度は魚眼レンズを用いて全天写真から樹冠開空度を解析した。日射時間は全天写真と太陽の軌道を求めて算出した。6つの環境因子がヒノキ更新木密度にどのような影響を与えるか分析したので結果を報告する。

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