日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: S1-5
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学術講演集原稿
1年生スギ実生コンテナ苗の得苗率と育苗経費
*藤井 栄
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キーワード: コンテナ苗, 再造林, 苗木
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抄録

従来の苗木生産はすべて露地で行われているため、播種後の天候不順により発芽しないなどの問題が発生し、深刻な苗木不足が発生することは少なくなかった。西日本の苗木生産者を中心にアンケートを取った結果、実生コンテナ苗を生産するほとんどの苗木生産者は畑で1年育苗したのち、毛苗をコンテナに植え替えているという方法であり、安定した苗木生産とは言えない。また、酷暑時の草取りや土壌殺菌といった畑の管理は苗木生産への新規参入の大きな妨げとなってる。既存の生産者にとって、毛苗の受け替えによるコンテナ苗の生産は、従来の普通苗と作業時期が重複し、既存の作業に遅れが発生するといった問題が発生していた。本研究ではハウスを活用した1年での実生コンテナ苗生産を実証し、2015年9月時点で樹高35cmを越えた苗木は2014年8月播種で90%、2014年10月播種で60%となった。平均樹高35cmを越えたコンテナについて、出荷率を調べた結果、79%と高い出荷率を示した。この1年生実生スギコンテナ苗と2年生実生スギコンテナ苗、普通苗との植栽後の比較についても報告する。

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