日本森林学会大会発表データベース
第127回日本森林学会大会
セッションID: T4-3
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学術講演集原稿
森林生態系とエコツーリズムの展開に関する基礎的研究
*海津 ゆりえ
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抄録

本発表は、磐梯朝日国立公園裏磐梯地区におけるエコツーリズム推進に伴う参加型モニタリングシステムを題材としている。福島県を代表する観光地である同地区は、1999年からエコツーリズムに取り組み始め、2003年度からの環境省のエコツーリズム推進モデル地区を経て2007年度には裏磐梯エコツーリズム協会を設立し、実践と仕組みづくりを進めている。エコツーリズムは自然資源の活用と保全の両立と地域振興を目指す観光の概念である。適切な資源管理のためには利用に伴う生態系への影響のモニタリングが不可欠であるが、裏磐梯地区では2006年度からそのシステムの開発に取り組み、2009年度にはエコツーリズム協会が主体となって十数項目に及ぶモニタリングシステムを構築した。このシステムは①多様な参加主体、②収集するデータの多様性、③成果情報の共有のあり方、④モニタリング結果の活用方法、⑤継続性の担保、⑥地域外からの支援の確保等のいくつもの工夫を連携させたものである。作業負担と経費負担を軽減し、持続性ある制度として一定の実績を有している。観光利用に伴う生態系管理に向けた応用可能な基礎技術として概略を紹介する。

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