主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第128回日本森林学会大会
回次: 128
開催地: 鹿児島県鹿児島市(主に鹿児島大学郡元キャンパス)
開催日: 2017/03/26 - 2017/03/29
アポイカンバは、北海道様似町アポイ岳周辺にのみ自生している日本固有のカバノキ科の広葉樹で、絶滅危惧種に指定されている。本研究では、アポイカンバ林分における外生菌根菌(以下、菌根菌)の群集構造を明らかにするため、成木の菌根の種組成を調査した。2016年10月下旬に、1林分(50地点)のアポイカンバ成木の周辺で5×5×10cmの土壌ブロックを採取した。各採取地点間は5m以上離し、GPSで記録した。採取した土壌から成木の根を取り出し、実体顕微鏡下で観察して菌根の形態類別を行った。類別された菌根形態タイプについて、CTAB 法によってDNAの抽出を行い、rDNAのITS領域の塩基配列を用いて菌種の同定を、葉緑体DNAのrbcL 領域またはtrnL領域の塩基配列から宿主の同定を行った。その結果、アポイカンバ林分ではCenococcum_geophilum、ベニタケ科、イボタケ科、フウセンタケ科の菌根菌が高頻度で検出された。発表で菌根菌の群集構造の詳細を報告する。