日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: A19
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学術講演集原稿
管理意欲の決定要因に関する考察-小松市における森林所有者の悉皆調査結果から-
*梶間 周一郎織田 佑規内山 愉太香坂 玲
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抄録

本研究は、地方都市における森林管理の実態と今後の管理に着目し、森林を所有するすべての住民に悉皆調査を行った。森林の持続可能な管理を行う上で重要な森林所有者の管理行動を規定している属性を特定することを目的とする。石川県小松市に森林を所有者から得られたデータを利用し、森林所有者を「職業の有無」、「在村不在村」、「森林組合加入の有無」「後継者の有無」を応答変数としてクロス集計表を用いた分析を行った。分析の結果、第一に有職の場合に森林の状態への認知が低くなることが認められた。第二に「在村不在村」は、森林への認知、管理行動の要因にならなかった。第三に、「森林組合加入の有無」においては、加入者は森林境界の認知が高い可能性があり、また今後の森林管理を業者への委託で行う傾向が認められた。最後に、「後継者の有無」においては、後継者の存在が、境界や面積などの認知について高める傾向があり、森林管理は自己で施行しており、今後も管理をしていくことを高める傾向が認められた。本研究では、森林所有者への悉皆調査により、森林の状態認知、維持管理、今後の管理に対して森林組合と後継者の存在の重要性が確認された。

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© 2017 日本森林学会
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