日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: P1-019
会議情報

学術講演集原稿
IUCN保護地域管理カテゴリの中国における適用状況の分析
*鞠 佳岐伊藤 太一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

IUCNは国際的保護地域区分のために、管理目的に応じたカテゴリを1978年に導入し、1994年に新カテゴリとなる。このカテゴリは1997年の国連保護地域リストから導入され、2003年からはカテゴリ決定権が世界保全モニタリングセンターUNEP-WCMCから各国の保護地域関係者等に変更された。さらに、2008年版のカテゴリガイドラインで、それぞれの保護地域のカテゴリ決定のプロセスも定められた。このような変更の影響を国連リストに掲載された中国の保護地域から探った。国連リストを分析した結果、中国の保護地域は「自然保護区」主体で1982年から国連リストに掲載され、1997年には561箇所であったのが1,000 ha未満も掲載可能になった2003年には805箇所、国家以外のガバナンスによる保護地域も認められた2014年には2048箇所と増加していることが示された。また、2003年と2014年のリストを比較すると805箇所のうち409箇所が削除され、350箇所以上がカテゴリⅤに変更されている。このような変更はガイドラインよりも中国側の資源利用方針に影響されたと考えられる。

著者関連情報
© 2017 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top