日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: P2-206
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学術講演集原稿
樹幹流は表面流発生要因となりうるのか?-樹冠サイズによる影響-
*山岸 極溝口 拓朗清水 優斗平田 令子光田 靖高木 正博伊藤 哲
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抄録

【目的】表面流は表土侵食に寄与することが言われている。土壌保全を行う上で表面流による侵食の正確な評価は重要であり、その評価のために、森林斜面における表面流の集中性やその発生の不均一性を解明する必要がある。表面流のリソースである雨水は林内雨および樹幹流となって、林内に流入する。特に大径木の樹幹流は流量が大きく、強い掃流力と侵食力を持つことが考えられる。また、大径木は自然林内において不均一に分布するのが一般的である。これらの特性から表面流の集中性や不均一性に大径木の樹幹流が関与していることが予想される。そこで、樹幹流の表面流への関与を明らかにすることを目的とした。【方法】調査は常緑広葉樹二次林で行った。斜面傾斜、林冠サイズに着目して24本のシイを調査木として選定した。すべての調査木で樹幹投影面積、24本中12本で樹幹流を、残りの12本を用いて樹木直下の表面流量を測定した。【結果】樹幹投影面積と降雨量による樹幹流の推定式を作成し、GLMを用いて樹幹流の推定値と表面流の実測値との関係をみた。その結果、樹幹流の推定値と表面流量には関係が見られ、樹幹流が表面流に寄与していると考えられた。

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