日本森林学会大会発表データベース
第128回日本森林学会大会
セッションID: P2-257
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学術講演集原稿
スギ非赤枯性溝腐病の感染に関する新知見
*服部 力太田 祐子
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抄録

非赤枯性溝腐病は千葉県下におけるスギ(主にサンブスギ)の重要病害である。近年京都府下において同病による被害が報告されたが、被害木はいずれもサンブスギではなかった(Ota et al. 2015)。京都府下における被害発生の要因を明らかにするため、腐朽があまり進展していない被害木6本(腐朽部計8箇所)の伐倒解体を行い、感染部と推察される部位を観察した。その結果、4腐朽は高さ50cm以下の地際付近から菌が侵入したと推察され、いずれも腐朽の中心部付近に枯枝跡は認められなかった。これらはいずれも10数年生時に感染したと推察され、感染時に地際付近に菌の侵入門戸となる枯枝があったとは考えにくい。また、高さ340cm付近から侵入したと考えられる1腐朽の中心部には、腐朽の進展した枯枝跡が認められたが、高さ370cm付近からの1腐朽の中心部には、スギカミキリの産卵跡が認められた。高さ120cm付近及び240cm付近に中心のある腐朽については、いずれも枯枝跡や大きな傷跡は認められなかった。このことから、本病害は枯枝だけではなく、虫害跡や材に跡の残らない比較的軽微な傷からも侵入する可能性が示唆された。

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© 2017 日本森林学会
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