主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第128回日本森林学会大会
回次: 128
開催地: 鹿児島県鹿児島市(主に鹿児島大学郡元キャンパス)
開催日: 2017/03/26 - 2017/03/29
原発事故後の2011年から、福島県川内村、大玉村、只見町および茨城県石岡市のスギ林、ヒノキ林、アカマツ林、落葉広葉樹林において、森林内の樹木の葉や幹、落葉層、鉱質土壌などの部位別の放射性セシウム濃度と蓄積量をモニタリング調査してきた。2011年以降、葉、枝、樹皮、落葉層の放射性セシウム137の濃度は低下し、鉱質土壌表層の濃度は上昇してきた。2016年もこれら傾向が多くの林分で継続していることが示された。森林内の放射性セシウム137の蓄積量は、2015年には落葉層および鉱質土壌層に88%以上分布していたが、2016年には91%以上分布するようになった。森林内の放射性セシウムは引き続き、落葉層および鉱質土壌に少しずつ移行を続けていることがわかった。また、森林全体の放射性セシウム蓄積量は、他の林分に比べ川内スギ林や大玉スギ林で増加傾向が見られた。本発表ではこれら要因についても考察した。