主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
小学校教育において、自然体験を通した環境学習は今後ますます重要になると考えられるが、環境学習が児童に与える影響について長期的な学習を対象とした事例は少なく、十分に明らかになっているとは言えない。そこで、本研究では宮城県東松島市立宮野森小学校の一連の森林環境学習に参加する3年生児童を対象に、学習がどのような影響を与えたのかを明らかにすることを目的として実施した。対象とした森林環境学習では、学校林をフィールドの中心とし、そこで暮らす生物を通して探究的に学ぶことをねらいとして、約1年を通して生物観察や調べ学習が行われた。本研究は、長期的で多様な学びを明らかにするため、児童が作成した作文や学習記録等のポートフォリオを中心に分析した。また、ポートフォリオ分析の結果を補うため、授業の様子を記録する参与観察調査、担任教諭に児童の様子を尋ねるヒアリング調査も実施した。調査の結果、多くの児童は授業や調べ学習で得た自然の知識だけではなく、探求的な意欲の向上も見られ、授業を通して新たな気づきや学びを得ていたこと、また、そのような成果がポートフォリオ等に表れる時期、要因は児童によって多様であることがわかった。