主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第129回日本森林学会大会
回次: 129
開催地: 高知県高知市(主に高知大学朝倉キャンパス; 3/26は高知県立県民文化ホール)
開催日: 2018/03/26 - 2018/03/29
「木育」は、「触れる→つくる→学ぶ」の3段階で発展的かつ往還的に取り組む性質のものである。幼児教育の発達段階では「触れる」活動に特化した木育活動が有益といえる。本報告では、「幼稚園教育要領」の領域「環境」で取り扱う「環境構成」の文脈で、木育を再構成し、これまで開発してきた木育教材を分析した。 「要領」では、幼児教育は「環境を通して行う」こととされ、「環境構成」の必然性が示されている。さらに、教育と保育が一体となって行われるため、「環境構成」の技術は、教育はもとより、子どもの情緒の安定、健康と安全の環境確保も求められる。さらに、最適な「環境構成」が、行動を誘発させることにより、教育を達成させるねらいもある。「環境構成」は、10の要素を組み合わせで考察され、①自然、②物、③人、④色、⑤色以外の視覚刺激、⑥音、⑦空間、⑧動線、⑨時間、⑩雰囲気(気温、湿度、空気の質)を適切に選択することで、子どもの発達を促進する。以上のことを踏まえ、幼児教育に携わる関係者のヒアリング結果から、木質空間や木製遊具は最も好ましいとされ、木育は幼児教育と親和性が高く、教育実践の開発が求められている傾向が示唆された。