日本森林学会大会発表データベース
第129回日本森林学会大会
セッションID: S10-7
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学術講演集原稿
幼児教育における木育の環境構成
*寺床 勝也
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キーワード: 木育, 幼児教育, 環境構成
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抄録

「木育」は、「触れる→つくる→学ぶ」の3段階で発展的かつ往還的に取り組む性質のものである。幼児教育の発達段階では「触れる」活動に特化した木育活動が有益といえる。本報告では、「幼稚園教育要領」の領域「環境」で取り扱う「環境構成」の文脈で、木育を再構成し、これまで開発してきた木育教材を分析した。 「要領」では、幼児教育は「環境を通して行う」こととされ、「環境構成」の必然性が示されている。さらに、教育と保育が一体となって行われるため、「環境構成」の技術は、教育はもとより、子どもの情緒の安定、健康と安全の環境確保も求められる。さらに、最適な「環境構成」が、行動を誘発させることにより、教育を達成させるねらいもある。「環境構成」は、10の要素を組み合わせで考察され、①自然、②物、③人、④色、⑤色以外の視覚刺激、⑥音、⑦空間、⑧動線、⑨時間、⑩雰囲気(気温、湿度、空気の質)を適切に選択することで、子どもの発達を促進する。以上のことを踏まえ、幼児教育に携わる関係者のヒアリング結果から、木質空間や木製遊具は最も好ましいとされ、木育は幼児教育と親和性が高く、教育実践の開発が求められている傾向が示唆された。

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