日本森林学会大会発表データベース
第130回日本森林学会大会
セッションID: P1-262
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学術講演集原稿
アポイカンバ・ハイマツ林における外生菌根菌の埋土胞子群集
*村田 政穂奈良 一秀
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抄録

アポイカンバ林分の外生菌根菌(以下菌根菌)の埋土胞子の種構成を明らかにするため、5×5×10cmの土壌ブロックを50個採取し、約4ヶ月常温で風乾し、バイオアッセイに供した。バイオアッセイでは、チューブに風乾土壌を入れ、アポイカンバやハイマツの種子を植えて約6ヶ月間育苗した。また、本手法で育苗したアポイカンバがすべて枯死してしまったため、滅菌した市販土壌で栽培した苗(アポイカンバとヒメコマツ)に、各風乾土壌の懸濁液を接種するバイオアッセイも行った。その結果、いずれの樹種でも菌根の形成された苗の頻度は低く(アポイカンバ:28%、ハイマツ:35%、ヒメコマツ:32%)、埋土胞子の存在量は一般的な森林よりも少ないことが示唆された。形成された菌根の菌種をrDNAのITS領域によって同定したところ、アポイカンバで優占していた菌種は、Pyronemataceae sp.1だった。一方、ハイマツやヒメコマツでは Cenococcum geophilum (ハイマツのみで検出)やRhizopogon sp.1、Rhizopogon nitidusが優占した。発表ではアポイカンバ林分の成木のデータも含めた菌根菌の群集構造を報告する。

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