日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: A13
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学術講演集原稿
インドネシアの農村における小規模カカオ産業による地域振興効果
*沖田 佳音原田 一宏
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抄録

インドネシア、中部ジャワにおけるコラボレーティブマネジメントの事例を示す。当調査地では、長年小規模農家によるカカオ栽培が盛んであったが、不安定で低価格な取引価格に悩まされていた。2016年、複数の外部ステークホルダーの支援を受け、地域住民自らが運営する小規模な製造場所と店舗が設立された。行政や研究機関に加え、村内のコミュニティや青年グループがどのように協働し機能しているのか、そして村人たちにどのような結果をもたらしているのか、質的調査を通じて明らかにする。以前は外部に販売していたカカオのサプライチェーンが村内で完結することにより、カカオの需要が増加し価格が安定、上昇しているようだ。また、女性スタッフの雇用を創出し、新たな収入源となるなど、社会経済的な効果が見られた。しかし、村内の五つのハムレット間で比較すると、結果に差が生じていることが明らかになった。また、その差は、コミュニティと村人の関係性に影響しているようである。コラボレーティブマネジメントの事例が地域に及ぼした結果とその課題を示した上で、今後の課題について議論する。

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