日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: A22
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学術講演集原稿
森林にかかわる主観的幸福度の観点からみた森林所有者の意向・態度
*高橋 卓也石橋 弘之内田 由紀子奥田 昇
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抄録

森林所有者にとっての森林にかかわる主観的幸福度(森林幸福度)を非所有者との対比に基づいて検討した。滋賀県野洲川上流域を対象として、2018年1月27日(回答到着時点)から4月5日にかけてアンケート調査を実施した。郵送による配布数は6,559セット(1世帯2件のセット)、回収数は1,457件、世帯での回収率は17.2%であった。森林満足度、森林充実感(エウダイモニア)、プラス感情、マイナス感情の森林幸福度の4指標と「地元の山を見た時の幸福感情」の計5指標をそれぞれ被説明変数とし、森林所有の有無、人工林率のそれぞれの指標を説明変数とする多重回帰分析を実施した。この他にコントロール変数として、人口学的要因、生活利便施設等の人工資本、森林率等の自然資本、日常の付き合いに代表される社会関係資本、森林関連活動も説明変数に含めた。森林所有はいくつかの種類の森林幸福度と負の関係を有する。所有林の人工林率が高いほどマイナス感情は緩和される。交互作用についての分析から、ボランティア、財産区役員などの森林関連団体への参加、後継者の存在等が伴う場合は、森林所有が森林幸福度と正の関係をもつ傾向もみられた。

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