日本森林学会大会発表データベース
第131回日本森林学会大会
セッションID: A31
会議情報

学術講演集原稿
東部ドイツの森林官と森林管理制度に関する予備的考察
*石崎 涼子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

ドイツの森林官や森林官を養成するための教育システムについては、日本において様々な形で紹介され広く知られるようになっているが、そうした情報の多くは旧西ドイツの情報であり、かつて東ドイツに属していたエリアを主体とする東部ドイツの情報は非常に限られている。そこで、各種文献および現地調査で得られた情報から、東部ドイツにおける森林官と森林管理制度の特徴について整理したい。

旧東ドイツにおいては、第二次世界大戦後、中央集権的な行政体制が採用されてきたが、1990年のドイツ再統一により旧西ドイツの体制が適用されることとなり、新たに設置された州ごとに州森林法の制定や森林行政組織の再編を行うこととなった。第二次大戦後は専門的な人材が不足し森林官の確保・養成が課題となったが、ドイツ再統一後は逆に人員削減が課題となっている。ドイツ再統一後、統一森林署方式を採用した州は、カルテル問題などを背景として州有林の経営部門と私有林などに対する森林行政部門との分離を進めており、かつて森林官が担ってきた役割を民間のフォレスターにゆだねる動きもみられる。

著者関連情報
© 2020 日本森林学会
前の記事 次の記事
feedback
Top