主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第131回日本森林学会大会
回次: 131
開催地: 名古屋大学東山キャンパス全学教育棟・豊田講堂
開催日: 2020/03/27 - 2020/03/30
北海道から鹿児島県まで日本に広く分布しているブナには葉面積や開芽フェノロジーなど複数の形質で地理的変異があることが知られている。これらの表現型の変異は、環境条件を同一にした産地試験林においても見られることが分かっている。また、中立な遺伝的変異に関してもオルガネラDNAや核マイクロサテライトなどの遺伝マーカーを用いた研究が行われ、種内に遺伝的変異の地理的傾向が認められている。本研究では、ブナ産地試験林の個体を対象に、ddRADシーケンシングを用いて表現型と関連のある一塩基多型(SNP)をゲノムワイドに検出することを目的とした。東京大学北海道演習林のブナ産地試験林において16産地の合計234個体から葉をサンプリングし、DNAを抽出した。その後、次世代シーケンサーを用いてddRADシーケンシングを行った。得られた9493SNPの遺伝子型データとこれまでに取得されている13形質の表現型データを用いてゲノムワイド関連解析を行った。その結果、開芽フェノロジーと芽鱗痕の有無に有意に関連するSNPが検出された。