日本森林学会大会発表データベース
第132回日本森林学会大会
セッションID: A15
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学術講演集原稿
森林環境譲与税を活用した都道府県による市町村支援の概況と課題
*香坂 玲内山 愉太
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抄録

森林環境譲与税(環境譲与税)が2019年度に導入された。その主体と想定される市町村では受け皿となる人材不足等が課題であり、その支援のため都道府県の役割も重要となる。本研究では都道府県を対象とし、その市町村支援について、関連組織・会議体や人事交流、市町村向けのガイドライン等について概況を把握した。関連支援組織では6県で独自にセンターを設置し、人事交流を行う10府県も存在し、県と市町村の職員を併任する制度を導入した事例(愛媛県)も把握された。更に森林経営管理制度または森林環境譲与税の活用方法に関する市町村向けのガイドラインが17府県で作成されていた。府県のコンテクストとして市町村数や私有林人工林面積率は、市町村との情報交換の会の設置状況と相関があり、譲与額は、人事交流及びガイドラインの策定状況と相関があった。環境譲与税と府県単位の超過課税の整理は、主に間伐等の物理的な森林整備において府県間で異なる対応が把握された(各府県単位で使途や背景に差異があるため単純な比較には限界もある)。今後は使途の公開が本格化するなかで、両税と森林整備の進捗との検証が必要となる。

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