主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第132回日本森林学会大会
回次: 132
開催地: 東京農工大学によるオンライン開催
開催日: 2021/03/19 - 2021/03/23
地域制公園制度をとる日本の国立公園には,原生的な自然とともに,地域の生活,生業と結びつく二次自然が広く分布する。そうした人との関わりの中で成立した自然を保全するためには,自然への人為の関与を維持することが重要であり,地物の消費など経済の好循環を生むことが重要である。一方,協働型管理への取り組みが進む中,地域自然資産法が制定され,自然資源の保全策として利用者負担や基金制度への関心も高まっている。本研究では,里海,里山の代表的な国立公園である伊勢志摩と阿蘇くじゅうの両国立公園を研究対象として取り上げ,来訪者の公園利用に対する意向を明らかにすること,環境保全基金を想定した場合の来訪者の貢献の意向をふまえた基金の枠組みについて検討することを目的とした。2020年11月,両国立公園において実施した利用者意識調査の結果から,両国立公園に共通して,地域の食や産物が公園利用の目的となっており,基金の使途としては里山・里海の風景の保全・回復が期待されていた。なお,本研究は,(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(4-1906,研究代表者:山本清龍)により実施された。