主催: 一般社団法人日本森林学会
会議名: 第132回日本森林学会大会
回次: 132
開催地: 東京農工大学によるオンライン開催
開催日: 2021/03/19 - 2021/03/23
ダスマン(Raymond F. Dasmann)は生物多様性や持続可能な発展概念の提案者として知られているが、UNESCOの人間と生物圏プログラム(MAB)における生物圏リザーブ(BR)やIUCNの保護地域管理カテゴリにも深く関わっている。1966年に米国保全財団の国際プログラム長となり、UNESCOのバティス(Michel Batisse)から2年後に開催予定の生物圏会議の支援を依頼され、MABに関わるようになる。その過程でトップダウンのIBPに対して地域住民を重視したボトムアップ型のMABを提案する。1970年にIUCNの主席生態学者となってからもMABに関わる一方で、1972年の世界国立公園会議では保護地域管理カテゴリの原案を発表する。その中で比較的広大な保護地域におけるゾーニングを主張しているのが注目されるが、1973年のMAB第8プロジェクトの最終報告ではBRの提案に留まり、1974年にUNESCOのBR指定ガイドラインになってゾーニングが提示される。このようにIUCNの保護地域管理カテゴリの概念はBRにおけるゾーニングの影響を受けている。米国に戻ったダスマンはサンフランシスコ市街も含む市民参加型のゴールデンゲートBRの設立者となっている。