日本森林学会大会発表データベース
第132回日本森林学会大会
セッションID: A4
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学術講演集原稿
日本における針葉樹製材用丸太の需給モデルの推定
*樋熊 悠宇至立花 敏
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抄録

国産材の利用拡大を考えるにあたって、国産丸太供給量のうち最も高い割合を占める針葉樹製材用丸太の需給特性を明らかにすることは有意義である。これまで、多くの研究が計量経済学の理論に基づいた丸太需給モデルを構築してきたが、木材市況の変化や近年の計量経済学の進展に対応して研究手法を深化させることが必要である。海外では、Parajuli and Chang(2015)、Zhang and Chang(2017)のように、時系列データの定常性に注意しつつ、環境保護や金融危機などを契機とした丸太市場の構造変化を考慮したモデルの推定が数多く行われている。他方、日本の林産物需給に関して、時系列データの定常性を考慮した研究は行武ほか(2003)に限定され、2002年以降の国産材の供給拡大局面を分析期間に含めた研究も藤掛(2016)などに限られている。本研究では、データの定常性を考慮しつつ、国産材の供給拡大局面を含めた1960~2018年を分析期間として、国産針葉樹製材用丸太の需給モデルを推定することを目的とした。農林水産省「木材需給報告書」などの統計データを用いて単位根検定や共和分検定を行い、モデルを決定した。

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